関西サイエンス・フォーラム 地震前兆現象調査研究専門部会(第3部会) | 令和4年12月吉日 |
地震前兆現象調査研究専門部会とは ( Earthquake Prediction Project : epp ) |
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地震前兆現象調査研究の趣旨 |
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国内外で地震による悲惨な被害の発生が後を絶ちません。特に、4つのプレートが集まる
変動帯の我が国にとって地震は宿命的なものであり、しかも、現在、日本列島は地震活動
期の真っただ中にあるともいわれています。我々は、これまで長く切望されてきながら未
だ実現していない地震の短期ないしは直前予知について不可能とされていたが、決してあ
きらめることなく、あらゆる可能性を探るために総力をあげて取り組まなければなりません。
地震の前兆的現象ではないかといわれているさまざまな地震直前の前駆的な異常現象、例え
ば異常な電波の発生や大気中のイオン濃度などの異常な変化、地下水や地電流などの異常
な変動、家畜や野性の動物、魚類、昆虫などの異常な行動、その他異常な気象現象、等々
のいわゆる「宏観異常現象」に関するあらゆる情報をできるだけ広く、かつ多く、リアル
タイムで収集し、これらと従来から地震学者らの研究によって得られている知見や各種の
観測データ等をすべて重ね合わせて、適切な処理と判断を行うことにより、大規模な地震
発生の直前における確度の高い有意の「地震直前予知情報」が得られる可能性はないかと
調査・研究を続けています。 | |
地震の前兆的な異常現象 |
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地震の前兆的な異常現象は、当然のことながら、それぞれの地震発生のメカニズムの違い
や規模の大小、地震が発生する地域の地質の特性や地殻構造の相違、その他諸々の環境条
件の違いなどによって、その現れ方は異なってくるはずです。ある地震の場合に見られた
前兆的異常現象が、別の地震の場合には全く検知されなかったというようなことは当然あ
り得ると考えられます。
従って、ある特定の一つの異常現象だけに着目し、それによって地震の予知をしようと
するのは合理的ではなく、これまでに蓄積されてきている地震に関する学術的な知見を基
盤としつつ、できる限り多くのあらゆる前兆的情報を幅広く収集し、それらをすべて「重
ね合わせ」て、気象庁や国土地理院などによって行われている地震活動や地殻変動の観測、
その他の科学的観測データ等とも照合し、総合的に判断することが重要であると考えられ
ます。 | |
そこで、我々の専門部会では、これまでに行ってきた調査・研究の結果をもとに、地震の
前兆的な異常現象ではないかと思われる様々な情報を実際に収集するためのネットワーク
を構築して実証的検討を行う段階に進むこととし、その第一段階として、阪神・淡路大震
災によって甚大な被害を受け、地震の予知・防災に対する一般市民の関心も高い兵庫県を
まず対象地域としてとり上げ、県内の動物園や水族館などをはじめ、一般市民や各学校等
の教職員・学生・生徒の皆さん、県や各自治体の職員とそのご家族等からの情報や、県内
で広域的に事業を展開している多くの企業等からの観測情報などを幅広く収集する情報収
集ネットワークの構築を進めています。
なお、この第一段階では、得られた結果を「地震予知情報」として一般に公表するか否
かについては、今後慎重に検討することとしています。
我々のプロジェクトにとって最も重要なことは、皆様方のご協力によって、異常と思われ
る事象が発生した日時、場所、事象の内容等について可能な限り正確でかつ客観的な情報
をお寄せいただくことです。情報の送付先など具体的な方法については添付の資料または
ホームページをご参照下さい。我々の調査・研究の成否は皆様方の真摯なご協力にかかっ
ています。
大地震による被害から出来るだけ多くの人々の尊い命を守りたいという私共の主旨・目的
をご理解賜り、この計画に多くの方々がボランティアとしてご参加下さいますよう心より
お願い申し上げます。
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